事業内容

WORK SECTION

地盤調査

あんしん宅地 北陸

阪神淡路大震災や、東日本大震災をはじめとする、地震被害は、私たちの心にこれからもずっと重く長く残ります。
私たちにできることは、多くの人々が、「安心」して「安全」に暮らせるお手伝いをすることです。

大雨による災害や、地震による災害が発生した場合、防災の専門家は、被災直後の様子から実際の自然現象や、人の営みとの関わりで起きる現象をできるだけ新鮮な状態で読み取るために現地調査を行います。

そこには、被災された方々が呆然と、なにか悪い夢でも見たのではないかというような感じで佇んでおられます。地盤や地形条件などに多くの原因がある災害の場合、住民の方々に被災の理由を尋ねられてお答えすることがありますが、どこでも必ず同じ言葉を聞くことになります。

知っていれば買わなかったのに

こうなっては遅すぎます・・・「あんしん宅地」

大雨や地震は地球が生きている限り起こる自然現象です。
それを「災害」にしてしまうのは、実は人間の知恵が不足しているだけなのです。そして、たとえ不幸にして災害が発生したとしても「そんな土地だと知っていれば買わなかったのに」という後悔の言葉を、被災者の方が言わなくても住む土地を選ぶことは、十分に可能です。

「あんしん宅地」は宅地の地盤情報をキチンとお伝えするために、調査・診断・対策を行います。
ひな壇状の住宅地、斜面に近接する宅地、液状化、土砂災害など、身近な所に潜む宅地被害低減のために「あんしん宅地」にご相談下さい。

「あんしん宅地」ネットワークは、地盤調査業、地盤コンサルタント業、不動産業等から構成されており、宅地に関する様々な問題を、最新の知見で対応いたします。
お住まいの宅地の安全性に不安がある方だけでなく、 住宅建築・土地購入の際にも、お近くの「あんしん宅地」へお気軽にご相談下さい。

斜面の対策は大丈夫? 我が国の地形は約70%が山地のため、必然的に山地との境界部である斜面とつきあうことになります。
どちらも安定している時は安全なのですが、豪雨や地震などが誘引となり不安な斜面となります。
安心して“斜面とくらす”には事前の対策が必要です。

宅地の斜面対策はお済みですか

古来、斜面は安定した場所として意識されることが多かったようです。しかし、この数十年で住宅地が斜面と近接する郊外にまで広がり、斜面災害が身近な社会問題として意識されるようになってきています。
最近では2004年新潟県中越地震や2007年新潟県中越沖地震に伴い、甚大な斜面災害が発生しています。
土砂災害をもたらす斜面崩壊は、雨が土をしっかり保持する力を上回るほど降り続いた時に、土砂が持ちこたえられなくなり、突発的に崩れ落ちる現象です。しかし、集中豪雨の度に自分の近くの斜面が崩れるわけではないので“自分にかぎっては”あるいは、“この地域は崖崩れ・土石流の話は聞かないから”と思いながらも、ついつい危険を見過ごしがちです。

・近くに急傾斜地崩壊危険箇所の標識はありませんか?
・傾斜地の角度が30°以上、または上部が張り出したりしていませんか?
・崖に浮いた石やわき水、落石などはありませんか?
・崖の頂上付近に新しい亀裂ができていませんか?
・斜面上にある物(道路・樹木・コンクリート壁など)にひびや変形はありませんか?

ご自宅の裏の斜面は安全ですか?

他人の土地だから気になるがどうしようもないと思っていませんか?万一の時に被害を受けるのはあなたです。もしあなたがその斜面の所有者であれば責任はあなたにあります。転ばぬ先の“知恵”あんしんできる暮らしへの第一歩です。

宅地造成は盛土と切土の組み合わせ 宅地造成は盛土と切土が行われます。
造成後は平坦に見える宅地でも旧地形は谷部の場合があり、盛土部と切土部では地盤の特性が異なります。
地震の際に切盛境での被害が顕著です。
宅地が盛土か切土部分なのか知っておく事は大切です。

造成された盛土や切土宅地の場合次の点に注意が必要です。

○盛土の締固めに当たっては、所定の品質の盛土に仕上げるために、盛土材料、工法等に応じた適切な締固めを行うことが必要となります。特に切土と盛土の接合部は地盤支持力が不連続になったり、盛土部に湧水、浸透水等が集まり盛土が軟化して、完成後仕上げ面に段違いを生じたり、地震時にはすべり面になるおそれもあることから、十分な締固めを行う必要があります。
○宅地造成では谷や沢を埋めたため、盛土内に水の侵入を受けやすく、形状的に盛土側面に谷部の斜面が存在することが多い谷埋め盛土、また傾斜地盤上の高さの高い腹付け盛土などができます。このような盛土宅地は特に注意が必要です。

谷埋め盛土の危険性 右の写真は兵庫県南部地震の際に谷埋め盛土が滑動した証拠写真です。
手前の電柱が建っている地盤は動かずに、建物が建っている宅地が右から左方向へ動いたため、門の前に電柱が位置するようになったのです。
現在、宅地は駐車場として利用されていました。

丘陵地を宅地造成する場合、起伏ある地形を切り盛りし平坦にすることが一般的で、以前の谷部は盛土されます。
盛土部分は、充分な締め固めが施され排水施設が機能していれば特に問題とならないのですが、締め固めが不十分で排水機能が低下すると軟弱な地盤となります。その結果、地下に軟弱地盤が隠れることとなり、大きな地震の際にこのような“谷埋め盛土”が滑動したり側方流動する現象が現れます。
宅地造成等規制法が施行(昭和36年)される以前の造成地だけでなく、それ以降の造成地でも“谷埋め盛土”部分には注意が必要です。全国には13,000箇所の大規模盛土造成地があると言われていますが、それ以外にも数多くの“谷埋め盛土”は存在します。

宅地耐震化の取組について / 国土交通省 都市・地域整備局

谷埋め盛土の地震時滑動・変形(改正宅造法では「滑動崩落現象」と呼んでいる)は、地震→締まりが緩く飽和地下水がある箇所の過剰間隙水圧上昇(液状化のようなもの)→摩擦抵抗の消失→低角度でも滑動→水圧低下→滑動停止、という順で起きることがわかっています。盛土底面が液状化してしまえば、液体と同様なので摩擦抵抗は期待できなくなり、非常に低角度であっても滑っていきます。しかしすべての谷埋め盛土が滑動・変形するわけではありません。釜井俊孝博士の研究によれば、盛土の幅が、盛土の深さの10倍を超える横断形状(盛土の幅÷盛土の深さ>10)となっていると変動しやすいことがわかっています。そのほかにもいろいろ要因はあり専門家の鑑定が必要ですが、この幅÷深さの関係が地震時の谷埋め盛土の変動危険性に対して最も重要な役割を果たしています。

2011年東北地方太平洋沖地震における被害
あんしん宅地 パンフレット